『仕事ができないと叱られる、段取りが悪くて作業が進まない、同じ失敗を繰り返してばかりいる、指示を忘れがち、奥様から気持ちが通じないと言われる、子どもへの愛情のかけ方が分からないなど、自分ではしっかりやっていると思っているけれど周囲からはできていないと指摘を受ける、振り返ってみると成長過程で何か違和感を感じたり、うまくいかないと思うこともあったがこれまでは何とかなってきた、けれど社会人になり、あるいは結婚して家庭を持ったら何とかならなくなってきた、これはいったいなんなのだろう…、いろいろ調べてみた、自分は発達障害かもしれない…』
上の例のように、自身が発達障害かもしれないと思ったら、大切なことが2つあります。正確に自身を知ること、そしてそう思うに至った困りごとを解決することです。
正確に自身を知るには、心理の専門家に相談する必要があります。臨床心理士は、生下時から現在までの成育歴、現在の生活就業状況、困難に感じることなど詳しくお聞きします。また、発達検査を受けることが非常に重要です。発達検査は発達のアンバランスさを測定し、自身の理解を深めることができます。
発達検査は診断に必ずしも必要がない、と記載されているホームページもあります。その通りですが、診断に必要がなくとも実際の支援では発達検査は大変役に立ちます。「何が苦手でどうすれば良いか」を考える際、発達検査ほど参考になるツールはありません。発達検査については別に詳しく書こうと思いますが、「診断治療に必ずしも必要ない、しかし支援の際には非常に役立つ」と認識していただいて良いと思います。
診断を受けることが適している方もおります。メンタルヘルス不調を呈している方、診断書が必要な方、診断名を知ってモヤモヤを払拭したい方は、受診が必須です。一方、本調子ではないけれどメンタルヘルス不調まではいかない方、診断書や診断名が必要なのではなくて自身についてより深く知って今より適応的に生活したい方、お薬などは飲みたくないと考えている方は、臨床心理士に相談することが適しています。当オフィスの心理士は全員が臨床心理士の資格を持ち、発達障害の方の支援に長年携わっております。ご安心してご相談ください。
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