先月のテーマに引き続き、男性のDV被害や男性の視点から捉える離婚問題について記事を書いていこうと思います。
離婚には協議離婚や調停離婚、裁判離婚といった形がありますが、約9割の夫婦が協議離婚によって別々の道を歩むことを決断しています。しかし、今年の法務省の調査によると協議離婚をされた夫婦であっても実際には3割くらいの夫婦は、話し合いをせずに別居を開始しているようです。他にも子どもがいる場合誰と一緒に住むのか、養育費や面会交流に関する取り決めも合意がなされて別れる夫婦というのはあまり多くはないのが現状です。
また女性は別居前に離婚を決意していることが多い一方で、男性は別居後に離婚を決意することが多い傾向があります。これはおそらく、日々の生活で不満やストレスが限界に達した妻が悩んだ末に離婚を決意し夫に別居を申し出る、といったパターンが多いからなのではないかと思います。そして9割方母親側に監護権が渡ることが多く、男性は子どもと離ればなれになってしまうケースが多いのです。そのためか、女性は別居後に解放感や安堵感を感じやすい一方で、男性はそういった解放感や安堵感は感じづらく、むしろ子どもへの申し訳なさを強く感じるようになります。
もちろん、離婚は夫婦それぞれが苦しさを抱える問題です。しかし、離婚や別居が決まった後は男性のほうがメンタルヘルスに不調をきたしやすい状態にあると考えられます。それにもかかわらず男性の相談先が少ないのが現状です。配偶者暴力相談支援センターにおける相談件数は女性に比べて男性の相談は約2%ほどしかありません。これは男性が相談できる窓口が少ないだけでなく、「ここは女性が相談するところ」というイメージがあったり、「暴言くらいであれば相談するほどでもない」「男がこういった相談をするなんて情けない」といった思いがあったり、「仕事が忙しくて相談したくてもできない」といった事情があったりするかもしれません。心理的カウンセラーへの相談はほぼ0に等しい状況でした。
一方で、離婚後に振り返ってみた際に23%ほどの男性が「心理カウンセラーに相談しておけばよかった」と回答しています。たとえ離婚が決まったとしてもその後のメンタルヘルスの安定のためにも男性がカウンセリングを受ける機会が増えてくると良いなと思います。
当オフィスでは土日の相談だけでなく、平日の夕方お仕事終わりの時間帯にオンラインで相談することも出来ます。離婚を迫られている方や離婚後に思い詰めている男性の方はぜひ一度相談にいらしてください。
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