強迫性障害と自閉スペクトラム障害は一見すると似たような特徴があり区別が難しく、実際に並存することもあります。例えば、繰り返し行われる強迫行為は自閉症スペクトラムの常同行動(こだわり行動)とも似ている部分があります。また、強迫性障害の方は完璧主義や白黒思考が強い場合がありますが、自閉症スペクトラムの融通の利かなさや型にはまった行動様式などやはり一見すると似たような特徴があります。
大人であればある程度区別することはできますが、子どもの場合は難しく、間違った見立てをされてしまっている場合もあります。強迫症状が強く全面に出てしまっていると、背後に発達障害があることを見逃しやすいです。
実はこの点、問題をこじらせることが頻繁にあります。自閉症スペクトラムが背景にある場合は、発達障害の特性に応じた環境調整がまず第一に重要なことになるのですが、そうした点を考慮せず「強迫症状」にターゲットを当てたかかわりをすると、改善が見られないばかりかかえって悪化することがあります。「医療機関で治療したが治らない」として当オフィスに申し込まれる方の中には、見過ごせないほどの割合で上記の方がいます。そして、その場合は発達特性を考慮した上で強迫性障害へのカウンセリングを行うと、改善が見込めます。
当オフィスには「強迫性障害」はもちろんのこと、教育センターや発達支援センター、小児科で「発達障害」の子どもへの対応に当たってきたカウンセラーが所属しており、適切に改善を図ることができます。お困りの方はぜひご連絡ください。
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