強迫性障害の心理援助では、暴露反応妨害法という認知行動療法が高い改善率を示すことが実証されています。しかし、実際にこの療法を受けても失敗したり、改善されないことが少なくありません。実は、強迫性障害に認知行動療法が効果を出すにはいくつかのコツがあります。
その一つが、あらかじめ強迫症状を悪化・維持させている要因を見つけて、事前にできるだけその要因の影響を減らしておくことです。たとえば、本人の性格、考え方、発達、社会的スキル、トラウマなどの個人要因、夫婦や親子関係におけるストレス、家族間のコミュニケーション・パターンなどの家庭要因、学校や職場の人間関係やストレス、過労などの環境要因です。これらの要因がどのように強迫症状に影響しているか想定し、その影響を減らしておかないと、認知行動療法の効果が得られにくいのです。
こうした要因の影響を事前に明らかにして減らしておくことは、〝強迫症状を改善しやすい土台づくりをすること〟とも言えます。土台ができてこそ認知行動療法の高い効果が発揮されるのです。
認知行動療法は科学的な手法で手続きがほぼ定型化されております。そうは言っても実施する専門家の腕により効果に差があるのが実情ですが、定型化されている点が優れている一方で、どこで受けてもあまり効果に違いはありません。当オフィスは認知行動療法を用いますが、この〝効果を最大化する土台作り〟をとても大切にしており、認知行動療法の効果を最大限に発揮できるようにしています。ご興味がおありの方、認知行動療法を受けたけれどうまくいかなかった方、強迫性障害や不登校などでお困りの方は、一度ご連絡いただけると嬉しいです。
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