当オフィスでは、昨年の10月頃から子どもの強迫性障害についての相談申し込みが徐々に増えており、今年に入ってからは特に増加しています。ほとんどの場合、コロナ禍初期には特に何もなかったもののその後一旦強迫症状が現れ、それが今年になってから再燃しています。従来、子どもの強迫性障害の場合は発達障害が背景にあるケースがよくみられるのですが、今年に入ってからはこのケースはほとんど見られません。これは当オフィスでは、とても珍しいことです。
今のところ、ご相談者のお話をよく伺うと様々な理由で心身とも疲弊して自身のコントロールを失いかけ、強迫症状に至っている子どもが多いと感じています。コロナ禍が長引いたり、晴れたと思ったら再流行したりすることは、大人が想像するよりも子どもに強く影響していて、従来はなんとか持ち堪えられていたケースも悪化しているのかもしれません。
強迫性障害には、行動的なアプローチや認知行動療法が効果的であることが実証されていますが、こうした子どもにはあまり良いアプローチだと思えません。むしろ休息やリラクゼーション、不安の減弱を行い、その後にそうしたアプローチをする方が良いと思っており、実際に改善したケースもあります。特に思春期は著しく疲弊することがより重篤な状態に繋がり得ますから、慎重に考える必要があります。
とはいえ、全てのケースでそうすることが適切なわけではありません。子どもに応じてアプローチを組み立てることが大切です。もしお子様が当てはまるようであれば、ご相談ください。オンラインでも、電話でも受け付けております。
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