強迫性障害を改善するためには、強迫観念によって不安や不快感が起きても、強迫行為をせずに、そのまま自然に不安や不快感が下がっていくことを体験していくことが必要になります。そのためには、本人の改善していくための仕組みの理解(心理教育)と改善するために必要な行動を実行していく努力が求められます。インフルエンザのように薬を飲んで、休めば治るというわけではありません。ただ薬を飲んで、医者あるいは心理師任せで改善してもらうという、受け身的な姿勢ではなかなか改善しないことが多いです。
子どもの場合も、強迫症状が重症化・慢性化してしまっていると、環境調整や薬物療法だけでは、なかなか改善していきません。やはり、子ども自身が改善していくための努力をしていくことが求められます。そのためには、「強迫症状をやっつけてやる!」というモチベーション(動機づけ)が非常に大事になります。とはいえ、相談に行くことに抵抗を示す子どもも少なくありません。その場合、親御さんが子どもの治療へのモチベーションを高めていく働きかけが大切になりますので、まずは親御さんだけでも相談にいらしていただき、子どものモチベーションを高める働きかけや関わり方の工夫などを相談していただければと思います。
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